ひとりでやっていると、どうしてもぶち当たる壁がいくつかあり、
我が家にある数少ない本からヒントを得たりするのだが、昨日はフランスパンを考える講習会で
自分の中にある、「フランスパンに対する考え」が少しまとまり始めてきた。
ここに書くのは簡単なのかもしれないけれど、実践すると、難しい。
それを目で見て、話を聞いて、生地に触れて、確信に変わっていったという感じ。
今、パン作りはとても機械化が進んでいて、我々人間のできることは、パン生地をいい状態に持っていって
あげること。それしか出来ないってこと。捏ねるのは機械であり、焼くのはオーブンである。
実は、パン作りの工程は、小麦粉と水分をあわせて、焼く。それだけのことであって、間に色々パンチ、成
形、分割って言葉がついただけで、このなかの工程を省略して、いいパンが焼ければそれはそれで良いので
あったりもする。
つまり、パン作りには正解がない。いろんな答えがあるということ。だけれども、やってはいけないこともあ
る。 どういう製品を作りたいかによって、工程やら製法を逆算できるようになることがいいパン職人なんだろう
なと思う。
そのシンプルな工程で、やっぱり自分の使っている道具や機械の特性はつかんでおく必要がある。
そんな質問をスタッフの方たちとやり取りしていると、自分の考えが間違ってなかったことが嬉しかったり、
自分のオーブンの新しい利点や、欠点を知ったりと、とても有意義な講習会だった。
今回の講習会は、イースト屋さんからの視点でのフランスパン作りであったので、イーストの特性にも
また新たな発見があった。数年前の同じ方の講習とまたイーストの入れるタイミングが違ったりと、
製パンの方法も、日々進化しているのだと実感した講習会だった。
また、これが粉屋さんの視点からのフランスパン作りになると、これがまた違うから面白い。
フランスパンへのアプローチの仕方がぜんぜん違うのだ。
これを僕は講習会で学ぶことがとても楽しく、義務教育+3年間の授業よりとてもおもしろく、
ますます体が粉に埋もれていくような感覚に陥るのである。